スパイガジェットというブキ ｜ サーモンランエクステンション その1
最弱名高いブキの1つ
ブキについて学びを得る、サーモンランエクステンションシリーズ
今回スポットライトが当たるのは、スパイガジェットです
許される日
普段書く記事はオカルト話や心理的な話や誰得tipsなど
あまり他のサイトでは言及されないようなものを書こうとしているのですが
ブキに対していろいろ考察を深めたり、可能性を見出したりして
知見を広くするのもアリかなという企画がエクステンションです
編成評価をする人は多いですが、個々のブキについてガッツリというのは
wiki含めてあまりないようなので存在意義もある気がします
今回は、自分が生放送をしているときに
度々最弱ブキ論争に引っ張り出される人気者の
スパイガジェットくんについて考えます
最弱ブキと考えるものは人によって様々ですが
スパイガジェットは多くの方が候補に上げるほどに広く浸透しています
扱いにくいからという理由込みで挙げられることの多い
ロングブラスターやハイドラント、エクスプロッシャーなどとは対照的に
軽量級かつ操作感や発射弾の癖の少ないスパイくんは
その中でも一線を画す存在です
正直ブキ考察に関してはコイツが大ボスだと思っているので
出オチ感が拭えません...
特徴
※ 以下の単語は文章内でこのように用いています
シェルター ・・・ ブキのカテゴリとしての名称
カサ ・・・ 射撃ボタンを押し続けて出る傘
パージ ・・・ ブキ本体からカサを射出すること
スペックから見た他のブキとの比較を行っていきます
まずはスペックをおさらいします
| Dmg | 30.0-25.0 x 7 上限120.0 |
| 轢きDmg | 40 |
| DPS | 276.9 |
| 対シャケ(100)実質DPS | 230.7 |
| インク消費 | 3.0% (33回) |
| 射程(確3) | ライン2.4本分 |
| カサ耐久 | 200 |
| カサ展開 | 10F |
| 射撃時ヒト速 | 0.72 |
DPS関連
やはり目に付くのはDPSの低さです
スロッシャーやローラーなどの範囲攻撃ができるブキを除いたとき
ジェットスイーパー(262.5)、スクリュースロッシャー(264.7)に続いて
ワースト3の火力を誇っています
また対シャケDPS(≒1秒あたりの雑魚シャケの討伐数)は余剰ダメージの関係上
更に落ち込むこととなり、ジェットスイーパー(250.0)に抜かされてしまいます
まあスクリュースロッシャー(176.4)がダントツで低いのですが...
ただコジャケに関しては轢きダメージでピッタリ(40)
ドスコイ単体に関しては3発+轢きダメージ(120*3+40)でちょうど400となり
シャケの中ではやや討伐適正があると言えます
ドスコイを見かけたら積極的にぶつかって轢きダメージを加えると良いでしょう
射程関連
射程は一般的な短射程シューターとほぼ同程度で必要十分なのですが
先述の2ブキと比べると単純な射程及び性能面で劣ることとなります
射程が長いことのメリットとして、もちろん遠くの敵を討伐可能ということの他に
意識的に動けば討伐と塗りが両立するというものがあります
ジェットスイーパーであれば、どのシャケを倒すにしても遠方で処理することで
シャケとの間の地面の塗りを同時にカバーすることができます
スロッシャー類は基本的に崖下の相手への攻撃は減衰が発生し
地の利を得て攻撃することの多いサーモンにおいてはマイナスとなる場面が多いですが
スクリュースロッシャーは威力減衰が他のスロッシャーと比べて大幅に少なく
シャケト場以外のステージでは、中央や崖上に鎮座することで
シャケ側に詰め寄られる前の自衛・防衛役としての役割も持つことができます
対してスパイガジェットはショットガン形式の弾であり、集弾率や距離減衰の面から
射程端近辺の攻防及び崖下などへの打ち下ろしによるダメージが不安定であり
それを含めて計算して動くのが難しい部類であると言えます
燃費関連
燃費はブキ全体で見るとさほど悪くなく
全インク消費時のダメージ数は3960+α(轢き)で中の上～上の下ほどです
また1発あたりの消費インクの重いブキ群である各ブラスターやローラーと比べると
消費は少なく(3.0%)、ボム投擲後やインクタンクが空になった後の行動択は
割とある印象です
ただシェルターに目を向けると、バケモノブキであるパラシェルターが
ダメージ・消費インク量・全インク消費ダメージ・DPSの全てにおいて
スパイガジェットを上回っており、居場所はもはや残されていません
こればかりはパラシェルターが高水準で全ブキの中でもおかしい性能をしているので
相手が悪いと言わざるを得ませんが
パージカサ関連
スパイガジェットくんはパージができないのでカサ単体での評価となります
自分は元々シェルターにおいては、パージを絶対する！というよりかは
轢きダメージを活かしたローラー的な運用をすることが多いので
パージができないカサに意味が無い、とまでは思っておりません
耐久力は200であり、これはバクダンの爆風1発でギリ崩壊せず
カタパッドの近爆風をちょうど4発防ぐことのできるHPとなります
パラシェルターは500、キャンピングシェルターは1000なのを考えると
やや心許ない数字ですが これをどう捉えるかという感じです
ここがすごい
ビニールカサを出せるところ！
いや本当にコレしか無いのですが...
もうちょい掘り下げると、他のシェルターではカバーしにくいような
守りの運用の適正があるということです
ダメージもロクに与えられないカサのせいで、逆にノックバックや押し出しで水没したり
良い思い出のあまり無い機能ではありますが、あるものは活用してこそであります
他のシェルターとの違いで明確にアドバンテージとなりうる点は5つ
☔ 展開までの時間が早い(スパ:10F パラ:12F キャ:45F)
☔ 展開しながら塗ることができる(≠シャケを倒すことができる)
☔ カサ展開中の方向転換が早い
☔ パージすることがない
☔ カサ復活までの時間が早い(スパ:4.5s パラ:6.5s キャ:6.0s)
まずは展開までの時間が早いという点です
パラシェルターとの差は微々たるものですが、僅かな2Fという時間は
咄嗟の判断によって攻撃を防げるかどうかの大事な猶予となります
シャケの殴りはもちろんですが、これはカタパの爆風を防ぐのに大いに役立ちます
パージ分のインクを考慮することなく軽率に展開ができるので
爆風ダメージ(50~15)の蓄積を抑えることができ、生存に繋がります
パージのインク消費が多いとこうなります
カサ展開中の方向転換の追従が早いのも身を守る上で重要であり
他のシェルターと比べてこの性能は抜きん出ています
続いて、展開しながら塗りができることの何が良いのか
シェルターもといカサの運用には攻めと守りの2パターンがあります
・ 敵を殲滅するためのダメージソースとして利用する攻めの運用
・ 盤面の維持や、敵のダメージから自分や味方を隔離する守りの運用
このうち守りの運用において効果を発揮するのが展開しながらの塗りです
自分及び味方の防御と塗りによる盤面維持が両立できるのは
スパイガジェットの立ち回りにおける大きな特徴です
例えば押され気味である中納品を優先せざるを得ない際に
カゴ周りのミサイルを防ぎながら地塗りをして納品ルートの確保...ということができます
他のシェルターではパージをしてしまったりインク管理が厳しかったりするため
ある特定のエリアを長時間に渡り防衛するという用途には向いていないです
メインや轢きダメージが貧弱なため展開しながらのシャケ殲滅に関しては
他シェルターの轢きのみの性能と比べてもどっこいどっこいな気がしますが
塗りも含めると、盤面維持するには最前線でも十分期待のできる性能であると言えます
おまけですが、カンケツセンにおいて
キンシャケの走行ルートに仁王立ちしてカサを広げることで
ローラーコロコロほどではないのですがまあまあダメージを与えることができます
火力の低い編成では貴重な金イクラソースとなりうることも多いので
他のブキの邪魔(射線もろ被りとか)にならない程度に狙ってみるのはアリです
ここがだめ
ここに記すにはあまりに余白が狭すぎます
今更何を言うでもないですが...
どうあがいても火力が足りないために、単独行動ではほぼ何もできません
討伐面で全ブキの中でも高水準と言えるのはコジャケ処理の効率くらいです
今その状況でできることとできないことの見極めが肝心です
幸いにして自身の生存力、ダメージからの防衛力は高いポテンシャルを秘めているので
スペシャルを切るなり他のプレイヤーとの連携を図るなりといった
引きの判断に対する猶予はこのブキには多めに取られていると言えます
総括
単体では活躍できる場面はほぼ無いものの
味方との連携を前提とした場合にその価値が見いだされるタイプのブキです
同様のカテゴリに属するものとして、パブロが挙げられます
火力や射程ではスパイガジェットよりもさらに遅れをとる存在ですが
あちらは守備力ではなく機動力の鬼であり、編成中での役割も分かりやすいため
苦手という人こそ多かれど、最弱ブキ議論の場に挙げられる機会は少ないです
自身の生存力、際での盤面維持、そしてある程度の機動力といった
総合的な守備力は全ブキの中でトップクラスの性能を誇っていると考えられます
他対一の場面がほとんどで自身へのダメージソースも多いサーモンランにおいては
ナワバリやガチマッチ以上に個々の生存が難しく、また重要であると言えます
討伐至上主義である方はその部分が盲点となりがちですが
動きが計算できない野良戦や、フレンドでもうまく回らずに押される場面において
暗闇に輝く僅かな光を見いだせるか、そこに未来は懸かっているものだと思います
なので諦めずにスパイガジェットくんを愛でて崇めましょう
私は疲れたので先に帰らせてもらいますけども......
